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熱燗の酒 181214(金)晴

熱燗の酒

山の頂に居残る未熟な新雪を跨いで里に下りてくる冷たい風が、
セーターの隙間から入りこみ、肌の温もりを盗む。
0IMG_7446.jpg

冬なのでしょう。
金曜日の午後、窓際に近い机に座ると、弱い日差しが右頬を撫でました。
菰野町文学講座今年の最終回、森鴎外『山椒大夫』の最終の章、川原徳子講師の朗読は静かに続く・・・。

『・・・正道はなぜか知らず、この女に牽(ひ)かれて立ち止まって覗いた。女の乱れた髪は塵(ちり)に塗(まみ)れている。・・・正道は瘧病(おこりやみ)のように身内が震(ふる)って、目には涙が湧いて来た。女は・・・繰り返してつぶやいていたのである・・・。
 安寿恋しや、ほうやほれほ。厨子王恋しや、ほうやほれほ。・・・』
朗読を聞き入りながら、耐えていた涙が止まらなくなりました。
滴り落ちる机の上の涙を隠れるように拭きとり、まさに瘧病(マラリヤ)のような震える嗚咽をこらえのでした。
文学に涙することはあるのでしょうか?
これはきっと、老人の勘違いの青春に違いありません。

1IMG_7439-111

白い菊ばかりと思っていたら、黄色い菊もありました。
耐えるような白んだ冬空の下、その山吹色の鮮やかさに惹かれました。
2IMG_7443

今薄い陽を受け止めようと、吹き出す球根の芽。
3IMG_7444

こうして彼らは、春を待つのです。

今夜は、
熱燗の酒が目に沁みる。
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古典講座

菰野町古典講座【森鴎外】

今日の古典講座・森鴎外【安井夫人】
大正三年・52歳の作品から、気に入った一節を三節ほど残しておきます。

【才気が眉目をさえ美しくする】
【夫に仕えて労苦を辞せなかった】
【ただに服飾の粗に甘んじたばかりではない】
その大まかな意味は上段から、
知性は美顔を成す。
夫と共に苦労を共にする。
単に粗末な身なりで我慢をしたばかりではない。
以上の三節について、男女の権力関係に賛同したのではなく、
人の感情の端的な表現の仕方に心地よさを感じたということです。
特に第一節にある才気と美男美女の関係に気づいていた人は、鴎外以外にも多数いたのではないでしょうか。

例えばこの言葉を借りて文をつなぐとすると、
【単に衣服の贅沢などもなく、苦労を惜しまず、勤勉に努める人の姿は美しい】
となるとおもいますが・・・?

『きみ、解釈違っていますよ』
などと指摘されたらどうしましょう。
ちょっと興覚めされましたか?
あしからずーーー。

月一回開かれる菰野町の古典講座は、とても面白いですよ―――。
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Author:モザマスター
キャフェ ド モザのマスターです!
担当はドリンクとフロアのサービスです。
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